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第321回:認知症最前線

今回のテーマは「認知症」です。世界中で高齢化が進み、世界の認知症情勢では年間発症者数から計算して3秒に1人の割合で増加していると言われています。
現在のところ認知症に対する有効な治療法はありませんが、最近では軽度認知症の段階で対策を行えば、認知症の進行を食い止め、予防できる可能性が明らかになってきました。大切なことは、自分や家族がいち早く“気づく”ことです。軽度認知症段階での早期発見・早期介入の第一歩として、認知症に関する検査などを学んでいきました。

 

 

認知症検査を拡めよう ~メーカーの立場から~ 
日本メジフィジックス 兼松 昴 氏

 

加齢に伴い「もの忘れがひどくなった」と感じることは珍しくない。しかし、それが加齢によるものか、病気により記憶などに障害が生じて起こる「認知症」なのかの区別は必要である。メーカーとして、認知症理解の啓蒙活動や認知症検査における病診連携、病病連携を推進していきたい。

 

 

認知症に携わる ~認定認知症領域検査技師として~ 
明舞中央病院 岡田 陽子 技師

 

認定認知症領域検査技師とは、日本認知症予防学会と日本臨床衛生検査技師会における認定資格である。認知症の予防並びに、認知症患者の治療の場において、病態を理解した臨床検査技師が対応することで、患者の家族と不安の軽減と正確な検査の実施が行えることから、臨床検査に関する専門性を生かして認知症の診断・治療を担当するチーム医療の一員として参加できる臨床検査技師を育成・確保するものである。
活動の場は多く、今後の活躍が期待される。

 

 

認知症画像検査の実際
明石医療センター 久森 克利 技師

 

認知症画像検査の役割として、①問診や心理テスト同様、正確に認知症を診断する、②「治る」認知症を見つける、③早期発見・早期治療にも大きく寄与することが挙げられる。脳画像検査においては、形態画像であるCT・MRI、機能画像であるSPECT・PETを用いる。それぞれの画像に特徴があり、それらを理解し適切に検査を進め、認知症を早期発見し、治療に繋げていくことが診療放射線技師の使命であると考える。
認知症診断に画像検査は必要不可欠と考えるが、何よりも本人・家族の「気づき」が大切であり、おかしいなと思うことがあれば画像検査を勧めて頂きたい。

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